カスハラ対策 施行日直前 最終チェック
カスハラ対策 施行日直前の最終チェックリスト【2026年10月1日】
公開日 2026-08-31・更新日 2026-08-31
# カスハラ対策 施行日直前の最終チェックリスト【2026年10月1日】
2026年10月1日、カスハラ(顧客等からの著しい迷惑行為)に関する措置義務が施行されます。 基準日である2026年8月時点で、対応が間に合っていない事業主は今すぐ初期整備を始める必要があります。本記事では、施行日直前に確認すべき事項を実務的な観点から整理します。
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この記事で確認できること
- 措置義務の法的根拠と対象事業主の範囲
- 施行日直前に確認すべき6つのポイント
- 同時施行される求職者等へのセクシュアルハラスメント対応との関係
- よくある質問
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措置義務の法的根拠と対象事業主
カスハラ対策の措置義務は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)第33条(改正後)に定められています。根拠法令はe-Govで確認できます(2026年8月時点)。 https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132
対象は労働者を1人以上雇用するすべての事業主です。企業規模による猶予や経過措置はありません。パート・アルバイト・派遣労働者を含む全労働者が保護の対象となります。
改正法は令和7年法律第63号として2025年6月11日に公布され、カスハラ防止に関する主要部分の施行日は2026年10月1日です。具体的な措置の内容は、2026年2月26日に告示された厚生労働省告示第51号(カスハラ防止指針)に定められています。 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf
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施行日直前に確認すべき6つのポイント
ポイント1:方針の明確化と周知
事業主は、カスハラを行ってはならない旨の方針を明確にし、労働者に周知・啓発することが求められます。就業規則や社内規程にカスハラに関する条項が盛り込まれているか確認してください。
方針の周知手段としては、社内イントラネットへの掲載、朝礼・会議での説明、ポスター掲示などが考えられます。「周知した」という記録を残しておくことが、後の対応において重要になります。
規程のひな型や整備の参考情報は カスハラシールドのひな型ページ でも確認できます。
ポイント2:相談体制の整備
労働者がカスハラ被害を相談できる窓口を設置し、その存在を周知することが必要です。相談窓口は社内担当者でも外部委託でも構いませんが、以下の点を確認してください。
- 相談窓口の担当者が決まっているか
- 相談を受けた際の初動対応手順が定められているか
- 相談者のプライバシーが保護される仕組みがあるか
- 相談したことを理由に不利益取扱いをしない旨が明示されているか
ポイント3:事後対応の手順整備
カスハラが発生した場合の対応手順を事前に定めておくことが求められます。具体的には次の点を確認してください。
- 被害を受けた労働者への迅速なケア(メンタルヘルス対応を含む)の手順があるか
- 行為者(顧客等)への対応方針(取引停止・警告・警察への相談等)が定められているか
- 記録の保存方法が決まっているか
現場の管理職が「どこまで対応してよいか」を判断できるよう、権限と手順を明文化しておくことが実務上のポイントです。
ポイント4:研修・教育の実施
管理職および一般労働者を対象とした研修を実施することが求められます。研修では以下の内容を含めることが望まれます。
- カスハラの定義と具体的な行為類型
- 被害を受けた際の相談先と手順
- 管理職としての初動対応(管理職向け)
研修を実施した記録(実施日・参加者・内容)を保存しておくことを推奨します。
ポイント5:業種・業態に応じた追加対応の検討
小売業・飲食業・医療・介護・交通など、顧客と直接接する機会が多い業種では、カスハラのリスクが高い場面を特定し、業務フローに応じた対応策を検討することが重要です。
たとえば、クレーム対応の録音・録画の可否、複数人対応のルール化、警察・弁護士への相談ルートの確保などが考えられます。ただし、具体的な対応策の選択は各事業主の業務実態に応じて判断してください。
自社の対応状況を客観的に把握したい場合は、カスハラシールドの無料診断 を活用することも一つの方法です。
ポイント6:記録の整備と保存
措置義務への対応状況を記録として残しておくことは、行政対応の観点からも重要です。厚生労働省による報告徴収(労働施策総合推進法上の報告義務)に対して虚偽の報告をしたり、報告を拒否したりした場合は、20万円以下の過料の対象となります。
また、勧告に従わない場合は企業名公表の対象となり得ます(改正後第42条第2項)。
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同時施行:求職者等へのセクシュアルハラスメントへの対応
2026年10月1日には、カスハラ対策と同時に、求職者等へのセクシュアルハラスメントに関する措置義務も施行されます。
根拠法令は雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)第13条(改正後)です(2026年8月時点)。 https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000113
具体的な措置の内容は、2026年2月26日に告示された求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針(厚生労働省告示第52号)に定められています。 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662589.pdf
求職者等へのセクシュアルハラスメントとは、採用選考・インターンシップ・職場見学などの場面で、事業主側(採用担当者・面接官等)が求職者等に対して行うセクシュアルハラスメントを指します。
施行日直前に確認すべき主な点は以下のとおりです。
- 採用担当者・面接官を対象とした研修が実施されているか
- 求職者等からの相談窓口が設置されているか
- 求職者等セクシュアルハラスメント防止規程が整備されているか
- 採用プロセスにおける不適切な言動の禁止が周知されているか
カスハラ対策と求職者等へのセクシュアルハラスメント対策は、同じ2026年10月1日に施行されるため、両方の対応状況を同時に確認することを推奨します。
対応の全体像については カスハラシールドのガイドページ も参考にしてください。
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施行日直前チェックリスト(まとめ)
以下の項目を確認し、未対応のものは施行日(2026年10月1日)までに初期整備を始めてください。
カスハラ対策(労働施策総合推進法第33条)
- 方針の明確化・就業規則等への明記が完了しているか
- 労働者への周知・啓発が実施されているか
- 相談窓口が設置・周知されているか
- 事後対応の手順が定められているか
- 管理職・一般労働者向け研修が実施されているか
- 対応記録の保存体制が整っているか
求職者等へのセクシュアルハラスメント対策(男女雇用機会均等法第13条)
- 採用担当者向け研修が実施されているか
- 求職者等からの相談窓口が設置されているか
- 求職者等セクシュアルハラスメント防止規程が整備されているか
- 採用プロセスにおける禁止事項が周知されているか
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よくある質問
従業員が数人しかいない小規模事業者も対象になりますか?
はい、対象です。労働者を1人以上雇用するすべての事業主が対象となります。企業規模による猶予や経過措置は設けられていません。パート・アルバイトを1人でも雇用している場合は対象となります。
措置義務に違反した場合、すぐに罰則が科されますか?
措置義務違反そのものに直接罰則が科されるわけではありません。ただし、厚生労働大臣による報告徴収に対して虚偽の報告をしたり、報告を拒否したりした場合は20万円以下の過料の対象となります。また、勧告に従わない場合は企業名公表の対象となり得ます(改正後第42条第2項)。
既存のハラスメント相談窓口をカスハラ対応にも使えますか?
既存の相談窓口をカスハラ対応に活用することは可能です。ただし、カスハラの相談を受けた際の対応手順(行為者が顧客等である点での対応の違い等)を担当者が理解していることが重要です。窓口の担当者に対して、カスハラに特化した研修や情報提供を行うことを検討してください。
求職者等へのセクシュアルハラスメントの「求職者等」とは誰を指しますか?
求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針(告示52号)に基づき、採用選考の応募者、インターンシップ参加者、職場見学者など、雇用関係に至る前の段階で事業主と接触する者が含まれます。詳細は告示52号(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662589.pdf)でご確認ください(2026年8月時点)。
施行日(2026年10月1日)に間に合わなかった場合はどうなりますか?
施行日以降は措置義務が発生しているため、未対応の状態は法令上の義務を果たしていないことになります。施行日を過ぎていても、できるところから初期整備を始めることが重要です。対応の優先順位としては、方針の明確化・周知と相談窓口の設置を先行させ、研修・規程整備を順次進めることが現実的です。 --- 本記事は2026年8月時点の一次資料に基づく一般情報であり、個別の法的助言・判断ではありません。具体的な法的判断や個別事案への対応については、社会保険労務士・弁護士等の専門家にご相談ください。