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カスハラ 対策 6項目

カスハラ対策6項目を徹底解説|2026年10月施行の義務対応

公開日 2026-08-18・更新日 2026-08-18

# カスハラ対策6項目を徹底解説|2026年10月1日施行の義務対応

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策として事業主が整備すべき項目は、大きく「方針の明確化」「相談窓口の設置」「対応フローの整備」「研修の実施」「証跡の保全」「事後対応」の6つに整理できます。2026年10月1日に施行される改正労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(以下「労働施策総合推進法」)第33条に基づき、これらはすべての事業主に課される義務です。企業規模による猶予や経過措置はありません。

この記事では、厚生労働省告示第51号(カスハラ防止指針)の内容をもとに、6項目それぞれの実務上のポイントを解説します。まず自社の整備状況を把握したい方はカスハラシールド診断からご確認ください。

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カスハラ対策が義務となる法的根拠

2025年6月11日に公布された令和7年法律第63号により、労働施策総合推進法が改正されました。改正後の第33条がカスハラ防止措置の根拠条文です。

https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132(2026年8月時点)

カスハラ防止指針(厚生労働省告示第51号)は2026年2月26日に告示され、事業主が講ずべき措置の具体的な内容を定めています。

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf(2026年8月時点)

施行日は2026年10月1日です。この日以降、措置を講じていない事業主は義務違反の状態となります。行政から報告を求められた際に虚偽の報告をしたり報告を拒否したりした場合は20万円以下の過料の対象となります。また、勧告に従わない場合は企業名公表の対象となり得ます(改正後第42条第2項)。

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6項目の全体像

カスハラ防止指針が示す措置は、以下の6つの柱で整理できます。

  1. 方針の明確化と周知・啓発
  2. 相談窓口の設置と体制整備
  3. 対応フロー(マニュアル)の整備
  4. 研修の実施
  5. 証跡の保全
  6. 事後対応(被害労働者へのケアと再発防止)

以下、それぞれを詳しく見ていきます。

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1. 方針の明確化と周知・啓発

最初に取り組むべきは、カスハラを許容しないという事業主の方針を明文化し、社内外に周知することです。

方針には少なくとも次の内容を含めることが求められます。

  • カスハラの定義(顧客等からの著しい迷惑行為)
  • 事業主としてカスハラを容認しない姿勢
  • 労働者を守るために講ずる措置の概要

方針は就業規則や社内規程に盛り込むほか、社内イントラネット・掲示板・朝礼などを通じて全労働者に周知します。顧客向けには店頭掲示やウェブサイトへの掲載が有効です。

方針の文書化にあたっては、カスハラシールドのガイドで参考となる考え方を紹介しています。

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2. 相談窓口の設置と体制整備

カスハラ被害を受けた労働者が安心して相談できる窓口を設置します。窓口は社内・社外のいずれでも構いませんが、担当者が相談内容を適切に受け止め、プライバシーを保護できる体制が必要です。

実務上のポイントは以下のとおりです。

  • 窓口の連絡先(メール・電話・対面など)を全労働者に周知する
  • 担当者は複数名配置し、特定の担当者が不在でも機能する体制にする
  • 相談者が不利益を受けないことを明示する(相談したことを理由とした不利益取扱いの禁止)
  • 相談内容の秘密保持を徹底する

既存のハラスメント相談窓口と統合することも可能ですが、カスハラ特有の対応(顧客との関係整理、現場への指示権限など)を担当者が理解していることが前提となります。

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3. 対応フロー(マニュアル)の整備

カスハラが発生した際に現場が迷わず動けるよう、対応フローをあらかじめ整備します。フローには次の段階を含めることが求められます。

初動対応

  • 現場担当者が一人で抱え込まず、上長や担当部署に速やかに報告する
  • 顧客との対話を継続するか、いったん中断するかの判断基準を明示する
  • 複数名で対応する体制(バックアップ体制)を定める

エスカレーション基準

  • どの段階で上長・法務・顧問弁護士・警察等に引き継ぐかを明確にする
  • 暴力・脅迫・長時間拘束など悪質性の高い行為については、警察への通報を含む対応を明記する

記録の作成

  • 対応した日時・場所・内容・関係者を記録する
  • 録音・録画が可能な場合はその手順を定める

フローは現場の実態に合わせて定期的に見直すことが重要です。ひな形の参考としてカスハラシールドのひな形ページもご活用ください。

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4. 研修の実施

方針やフローを整備しても、労働者がその内容を理解していなければ機能しません。研修は整備した仕組みを現場に定着させるための重要な措置です。

研修の対象と内容は以下を基本とします。

全労働者向け研修

  • カスハラの定義と具体的な行為類型(暴言・長時間拘束・過度なクレーム・SNSでの誹謗中傷など)
  • 被害を受けた際の報告・相談の手順
  • 相談窓口の場所と連絡先

管理職・窓口担当者向け研修

  • 相談を受けた際の傾聴・記録・エスカレーションの手順
  • 被害労働者への配慮(二次被害の防止)
  • 顧客対応の打ち切り・取引拒絶の判断基準

研修は入社時・定期(年1回程度)・フロー改訂時のタイミングで実施することが実務上の目安となります。実施記録(日時・参加者・内容)を保存しておくことで、後述の証跡保全にもつながります。

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5. 証跡の保全

カスハラ対応において証跡の保全は、労働者保護と事後対応の両面で不可欠です。証跡が不十分だと、顧客との紛争時に事実関係の確認が困難になるほか、行政からの報告要求に対応できない場合があります。

保全すべき証跡の例は以下のとおりです。

  • 相談記録(日時・相談者・内容・対応者・対応内容)
  • 対応ログ(電話録音・メール・チャット履歴・対面記録)
  • 研修の実施記録(参加者名簿・資料・日時)
  • 方針・規程の改訂履歴

記録の保存期間は、関連する労働関係法令の保存義務期間を参考にしつつ、自社の規程で定めることが求められます。個人情報を含む記録については、個人情報保護法の要件も踏まえた管理が必要です。

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6. 事後対応(被害労働者へのケアと再発防止)

カスハラ被害を受けた労働者への事後対応は、義務の中でも特に重要な位置づけです。被害を放置すると、労働者のメンタルヘルス悪化・離職・職場全体の士気低下につながります。

被害労働者へのケア

  • 被害状況を丁寧に聴取し、労働者の心身の状態を確認する
  • 必要に応じて産業医・EAP(従業員支援プログラム)・医療機関への相談を促す
  • 配置転換・業務変更など、被害労働者の希望と状況に応じた配慮を検討する
  • 相談・被害申告を理由とした不利益取扱いを行わない

再発防止

  • 発生した事案の原因を分析し、対応フローや研修内容に反映する
  • 同様の顧客からの接触を制限・遮断する措置を検討する
  • 管理職に対して事案の概要(個人情報に配慮した形で)を共有し、組織全体の対応力を高める

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6項目の整備状況チェックリスト

自社の対応状況を確認するための簡易チェックリストです。

  • 方針を文書化し、全労働者に周知しているか
  • 相談窓口の連絡先を全労働者が把握しているか
  • 対応フローを文書化し、現場に配布しているか
  • 全労働者向けの研修を実施し、記録を保存しているか
  • 相談記録・対応ログを適切に保存しているか
  • 被害労働者へのケア手順を定めているか

すべての項目に「はい」と答えられない場合は、2026年10月1日の施行日までに初期整備を始めることが求められます。

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まとめ

カスハラ対策の6項目(方針・窓口・フロー・研修・証跡・事後対応)は、2026年10月1日施行の改正労働施策総合推進法第33条に基づく義務です。企業規模を問わず、すべての事業主が対象となります。

まず自社の整備状況を把握することが出発点です。カスハラシールド診断で現状を確認し、優先して取り組むべき項目を特定することから初期整備を始めてください。

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本記事は2026年8月時点の法令・告示に基づく一般情報であり、個別の法的助言・判断ではありません。具体的な対応については、社会保険労務士・弁護士等の専門家にご相談ください。

よくある質問

従業員が数名の小規模事業者も対象になりますか?

はい、対象です。改正労働施策総合推進法第33条は、労働者を1人以上雇用するすべての事業主を対象としており、企業規模による猶予や経過措置はありません。 https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132(2026年8月時点)

既存のハラスメント相談窓口をカスハラ窓口と兼用できますか?

兼用は可能です。ただし、カスハラ特有の対応(顧客との関係整理、現場への指示権限、取引拒絶の判断など)について担当者が理解していることが前提となります。窓口の周知資料にカスハラも対象であることを明記してください。

対応フローはどの程度詳細に作成する必要がありますか?

カスハラ防止指針(告示第51号)は、初動・エスカレーション・記録の各段階を含む対応マニュアルの整備を求めています。詳細度は業種・規模・顧客接点の性質によって異なりますが、現場担当者が判断に迷わない水準を目安としてください。 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf(2026年8月時点)

研修は外部委託でなければなりませんか?

外部委託は必須ではありません。社内で実施する場合も、カスハラの定義・相談手順・対応フローを網羅した内容であれば義務を満たす措置として位置づけられます。実施記録の保存を忘れずに行ってください。

措置を講じなかった場合、どのような不利益がありますか?

行政から報告を求められた際に虚偽の報告をしたり報告を拒否したりした場合は20万円以下の過料の対象となります。また、行政指導・勧告を経て、勧告に従わない場合は企業名公表の対象となり得ます(改正後第42条第2項)。措置義務そのものへの直接的な罰則規定とは別に、行政対応の負担や社会的信用への影響も考慮する必要があります。 ---