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カスハラ 対策 何から始める

カスハラ対策、何から始める?2026年10月施行前に確認すべき初期整備の手順

公開日 2026-08-17・更新日 2026-08-17

# カスハラ対策、何から始める?2026年10月施行前に確認すべき初期整備の手順

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策は、2026年10月1日から全事業主に義務として課されます。「何から手をつければよいかわからない」という担当者の方に向けて、この記事では初期整備の手順を順番に整理します。まず自社の現状を把握し、不足している取組を特定することが最初の一歩です。

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この記事でわかること

  • カスハラ対策が義務となる法的根拠と施行日
  • 初期整備として確認すべき項目の全体像
  • 各ステップで何をすればよいかの具体的な進め方
  • よくある疑問への回答

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カスハラ対策はいつから、誰に義務が課されるのか

施行日と根拠法令

カスタマーハラスメント防止に関する事業主の措置義務は、2026年10月1日に施行されます。根拠となる法令は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)第33条(改正後)です。 (2026年8月時点 / e-Gov 労働施策総合推進法: https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132)

具体的な措置の内容は、厚生労働省告示第51号(カスハラ防止指針)に定められています。 (https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf)

この改正は令和7年法律第63号として2025年6月11日に公布され、指針は2026年2月26日に告示されました。

対象は全事業主、規模による猶予はない

対象となるのは労働者を1人以上雇用するすべての事業主です。中小企業・小規模事業者であっても、企業規模による猶予期間や経過措置はありません。2026年10月1日の施行日は、事業規模にかかわらず共通です。

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まず「現状把握」から始める理由

対策を始める前に、自社がどの項目を整備済みで、どの項目が未着手かを把握することが重要です。整備状況を確認せずに個別の施策を進めると、重複や抜け漏れが生じやすくなります。

自社の未整備項目を効率よく洗い出すには、カスハラシールドの無料診断ツールを活用することも一つの方法です。チェックリスト形式で現状を整理できます。

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初期整備のステップ

カスハラ防止指針(告示51号)が求める措置は、大きく次の領域に整理できます。それぞれについて、何を確認し、何を整備するかを順番に見ていきます。

ステップ1:カスハラの定義と方針の明確化

最初に行うべきことは、自社として「カスタマーハラスメントとは何か」を定義し、それを許容しないという方針を明確にすることです。

指針では、カスタマーハラスメントを「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」と整理しています。

この定義を踏まえ、自社の業種・業態に即した形で「どのような言動がカスハラに該当するか」を社内で共有できる状態にすることが出発点です。

また、事業主がカスハラを許容しないという方針を、就業規則や社内規程、あるいは別途策定するカスハラ対応方針として文書化することが求められます。

ステップ2:相談・報告体制の整備

労働者がカスハラ被害を受けた際に、安心して相談・報告できる窓口と手順を整備します。

確認すべき主なポイントは以下のとおりです。

  • 相談窓口(担当者または部署)が設置されているか
  • 相談者のプライバシーが保護される仕組みがあるか
  • 相談を受けた後の対応フロー(事実確認・対応・フォローアップ)が定められているか
  • 相談したことを理由に不利益な取扱いをしないことが明示されているか

相談窓口は既存のハラスメント相談窓口と兼用することも可能ですが、カスハラに関する相談も受け付けることを明示する必要があります。

ステップ3:対応マニュアル・手順の整備

カスハラが発生した場合に、現場の労働者が一人で対応を抱え込まないよう、組織として対応する仕組みを整えます。

整備すべき内容の例としては、次のものが挙げられます。

  • 現場担当者が取るべき初動対応の手順
  • 上長・管理職への報告・エスカレーションのルール
  • 悪質なケースにおける警察・弁護士等への相談・連携の判断基準
  • 取引先・顧客との関係における対応方針(取引継続の可否の判断基準を含む)

対応マニュアルのひな形や記載例については、カスハラシールドのひな形ページも参考にしてください。

ステップ4:研修・周知の実施

方針や体制を整備しても、労働者に周知されなければ機能しません。管理職・一般従業員それぞれに対して、カスハラの定義・自社の方針・相談窓口・対応手順を周知する機会を設けます。

研修の形式は集合研修・eラーニング・資料配布など状況に応じて選択できますが、「実施した記録を残す」ことが重要です。指針への対応状況を後から確認・説明できるよう、実施日・対象者・内容を記録として保管してください。

ステップ5:被害を受けた労働者へのケア

カスハラ被害を受けた労働者に対して、事後のフォローアップを行う仕組みも必要です。

具体的には、被害状況の把握・精神的なケア・必要に応じた配置転換や業務調整の検討などが含まれます。産業医や外部のEAP(従業員支援プログラム)との連携も選択肢の一つです。

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同時に確認すべき:求職者等へのセクシュアルハラスメント

2026年10月1日には、カスハラ防止義務と同時に、求職者等へのセクシュアルハラスメントに関する措置義務も施行されます。根拠法令は雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)第13条(改正後)、指針は求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針(厚生労働省告示第52号)です。 (2026年8月時点 / e-Gov 男女雇用機会均等法: https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000113 / 指針: https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662589.pdf)

採用選考・インターンシップ・職場見学などの場面で、求職者・インターン生等に対するセクシュアルハラスメントを防止するための措置が義務となります。カスハラ対策と並行して、求職者等へのセクシュアルハラスメント防止に関する規程(求職者等セクシュアルハラスメント防止規程)の整備や採用担当者への研修も確認してください。

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対応しなかった場合のリスク

措置義務を履行しない場合、行政による報告徴収・助言・指導・勧告の対象となります。勧告に従わない場合は企業名公表の対象となり得ます(労働施策総合推進法改正後第42条第2項)。

なお、過料(20万円以下)は、報告の拒否や虚偽報告といった報告義務違反に適用されるものであり、措置義務違反そのものへの直接的な罰則ではありません。ただし、行政対応が長期化することで企業の信頼性に影響が生じる可能性があります。

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整備の優先順位をつけるには

「すべてを同時に整備するのは難しい」という場合は、まず以下の順序で着手することを検討してください。

  1. カスハラの定義と許容しない方針の文書化
  2. 相談窓口の設置と周知
  3. 現場の対応手順(エスカレーションルール)の整備
  4. 管理職向け研修の実施
  5. 被害者ケアの仕組みの整備

自社の現状がどの段階にあるかを把握するために、カスハラシールドの無料診断で未整備項目を確認することから始めることをお勧めします。

より詳しい整備の考え方については、カスハラシールドのガイドページもあわせてご覧ください。

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よくある質問

パート・アルバイトしか雇っていない小規模な店舗でも義務の対象になりますか?

対象となります。労働者を1人以上雇用するすべての事業主が対象であり、雇用形態や企業規模による例外はありません。パートタイム・アルバイト・派遣労働者を雇用している場合も同様です。

既存のハラスメント相談窓口をカスハラにも使ってよいですか?

既存の窓口を兼用することは可能です。ただし、カスハラに関する相談も受け付けることを明示し、対応担当者がカスハラの定義や対応手順を理解していることが必要です。窓口の案内文や社内周知資料にカスハラを明記してください。

対応マニュアルは外部のひな形を使ってよいですか?

ひな形を参考にすることは有効ですが、自社の業種・業態・組織体制に合わせて内容を調整することが重要です。ひな形をそのまま使用するだけでは、実際の場面で機能しない可能性があります。

研修は外部講師を呼ばなければなりませんか?

外部講師の起用は必須ではありません。eラーニング・動画・資料配布など、自社の状況に応じた方法で実施できます。重要なのは、実施した記録(日時・対象者・内容)を残しておくことです。

2026年10月1日までに整備が間に合わない場合はどうなりますか?

施行日以降は措置義務が発生しているため、未整備の状態は義務不履行となります。すべてを一度に完成させることが難しい場合でも、優先度の高い項目(方針の明確化・相談窓口の設置)から着手し、整備の進捗を記録しておくことが重要です。行政からの指導・助言に対して誠実に対応できる状態を維持してください。 --- この記事は一般情報の提供を目的としており、個別の法的助言・判断ではありません。具体的な法的判断や個別事案への対応については、社会保険労務士・弁護士等の専門家にご相談ください。