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求職者等へのセクシュアルハラスメント 選考プロセス 点検方法

求職者等へのセクシュアルハラスメント:選考プロセスの点検方法

公開日 2026-09-01・更新日 2026-09-01

# 求職者等へのセクシュアルハラスメント:選考プロセスの点検方法

求職者等へのセクシュアルハラスメントへの対応は、2026年10月1日を施行日とする改正男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)第13条に基づく義務です。採用選考プロセスは、求職者等へのセクシュアルハラスメントが発生しやすい場面の一つであり、事業主は選考の各段階を定期的に点検し、問題が生じにくい環境を整備することが求められます。

この記事では、選考プロセス全体を体系的に点検するための考え方と確認項目を解説します。点検の出発点として、まず自社の現状を把握することが重要です。現状診断ツールを活用して、整備状況の初期確認を始めてください。

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求職者等へのセクシュアルハラスメントと選考プロセスの関係

求職者等へのセクシュアルハラスメントとは、採用選考や職場見学などの場面において、事業主または労働者が求職者等に対して行うセクシュアルハラスメントを指します。根拠法令は改正男女雇用機会均等法第13条(2026年9月時点)であり、指針は「求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針」(厚生労働省告示第52号、2026年2月26日告示)です。 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662589.pdf

選考プロセスは、求人票の公開から内定通知に至るまで複数の段階を含みます。それぞれの段階で、担当者と求職者等が接触する機会があり、不適切な言動が生じるリスクがあります。事業主はこのリスクを認識したうえで、プロセス全体を俯瞰した点検を行う必要があります。

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点検の基本的な考え方

点検の目的を明確にする

点検の目的は、現状の選考プロセスにおいてセクシュアルハラスメントが発生しやすい構造的な問題がないかを確認し、必要な改善につなげることです。単発の確認ではなく、定期的なサイクルとして組み込むことが重要です。

点検の対象範囲を設定する

選考プロセスの点検対象は、以下の範囲を含めることが考えられます。

  • 求人票・採用広告の内容と表現
  • 応募受付・書類選考の手続き
  • 面接(一次・二次・最終)の実施方法と担当者の構成
  • 適性検査・グループワーク等の選考手法
  • 職場見学・インターンシップの実施方法
  • 内定通知・内定後のフォローアップ

これらの各段階において、求職者等と接触する担当者の言動、場所・時間帯の設定、記録の有無などを確認します。

点検の頻度と時期

定期点検は少なくとも年1回実施することが考えられます。また、採用活動の開始前(例:新卒採用であれば選考開始前)に点検を行うことで、問題を事前に把握しやすくなります。担当者の異動や選考手法の変更があった場合は、その都度確認を行うことも有効です。

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選考プロセス別の点検項目

求人票・採用広告の点検

求人票や採用広告の段階から、求職者等へのセクシュアルハラスメントにつながる表現が含まれていないかを確認します。

確認項目の例として以下が挙げられます。

  • 性別・容姿・年齢に関する不必要な記載がないか
  • 「明るい女性歓迎」など性別を前提とした表現がないか
  • 担当者の連絡先として個人の携帯番号のみを記載していないか(プライベートな接触を誘発しやすい構造になっていないか)

応募受付・書類選考の点検

応募受付の段階では、求職者等の個人情報の取り扱いと担当者の行動を確認します。

  • 応募者の連絡先情報を業務外の目的で使用していないか
  • 書類選考の評価基準が明文化されており、外見・性別等に関する主観的評価が混入しにくい仕組みになっているか
  • 応募者への連絡は業務用の手段(会社メール・代表電話等)を通じて行っているか

面接の点検

面接は求職者等と担当者が直接接触する場面であり、特に注意が必要です。

確認項目の例として以下が挙げられます。

  • 面接の場所は複数人が確認できる環境か、または密室になっていないか
  • 面接担当者が1名のみの場合、その構成が適切かどうかを検討しているか
  • 面接での質問内容に、プライベートな交際状況・結婚・出産・容姿に関する不必要な質問が含まれていないか
  • 面接後に担当者が個人的に求職者等へ連絡を取ることを禁止するルールがあるか
  • 面接の記録(評価シート等)が適切に保管されているか

面接担当者への事前説明と確認も点検の一部です。担当者が「求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針」の内容を理解しているかどうかを確認してください。 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662589.pdf

職場見学・インターンシップの点検

職場見学やインターンシップは、通常の選考面接よりも長時間・複数の担当者が関わる場面です。

  • 担当者の選定基準と事前説明の実施状況
  • 見学・実習中の行動記録の有無
  • 参加者が相談できる窓口の周知状況
  • 終了後のフォローアップ連絡の方法(業務用手段に限定されているか)

内定後のフォローアップの点検

内定通知後から入社前の期間も、求職者等へのセクシュアルハラスメントが発生し得る場面です。

  • 内定者懇親会等のイベントにおける担当者の行動基準が設定されているか
  • 内定者への連絡が業務用手段を通じて行われているか
  • 内定者が相談できる窓口が周知されているか

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点検を実効的にするための仕組み

チェックリストの整備

点検を属人的な判断に依存しないためには、チェックリストを整備することが有効です。チェックリストには、上記の各段階の確認項目を盛り込み、担当者が自己確認できる形式にします。チェックリストのひな型については規程・書式ひな型ページを参考にしてください。

点検結果の記録と共有

点検を実施した日時・担当者・確認項目・結果・改善事項を記録として残すことが重要です。記録は、問題が生じた際の対応履歴としても機能します。また、点検結果を採用担当者間で共有し、改善事項を次の選考サイクルに反映させる仕組みを設けてください。

相談窓口との連携

選考プロセスの点検は、相談窓口の整備と連動させることが重要です。求職者等が選考中に不快な言動を受けた場合に相談できる窓口を設け、その連絡先を選考案内等に明示することが求められます。相談窓口の設置・運用方法についてはガイドページで詳しく解説しています。

担当者への定期的な説明

点検の実効性を高めるためには、採用担当者・面接官・インターンシップ担当者等に対して、定期的に求職者等へのセクシュアルハラスメントに関する説明を行うことが重要です。担当者が変わるたびに説明を実施する体制を整えてください。

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義務の根拠と対象事業主

求職者等へのセクシュアルハラスメントへの対応は、改正男女雇用機会均等法第13条(2026年9月時点)に基づく義務であり、任意の取組ではありません。対象は労働者を1人以上雇用するすべての事業主であり、企業規模による猶予や経過措置はありません。 https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000113

施行日は2026年10月1日です。この日以降、事業主は求職者等へのセクシュアルハラスメントに関する措置義務を負います。行政から報告を求められた場合に虚偽の報告をしたり報告を拒否したりした場合は過料の対象となり得ます。また、勧告に従わない場合は企業名公表の対象となり得ます(改正後第42条第2項)。

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よくある質問

選考プロセスの点検はどのくらいの頻度で行えばよいですか?

少なくとも年1回の定期点検を実施することが考えられます。また、採用活動の開始前や、担当者の異動・選考手法の変更があった際にも点検を行うことが有効です。点検の頻度は自社の採用活動のサイクルに合わせて設定してください。

点検は採用担当者だけで行えばよいですか?

採用担当者だけでなく、人事責任者や法務・コンプライアンス担当者が関与することで、より客観的な点検が可能になります。また、外部の専門家に確認を依頼することも選択肢の一つですが、本記事は一般情報の提供であり、個別の法的判断や規程作成の代行を受託するものではありません。

求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針はどこで確認できますか?

厚生労働省が公表している告示第52号(求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針)を参照してください。 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662589.pdf

面接担当者が1名の場合、どのような対応が必要ですか?

面接担当者が1名のみの場合、密室での面接にならないよう場所の設定を工夫することや、複数担当者による面接への変更を検討することが考えられます。求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針の内容を踏まえ、自社の選考体制を確認してください。

内定者懇親会も点検の対象になりますか?

内定者懇親会は内定後のフォローアップの一環であり、求職者等と担当者が接触する場面として点検の対象に含めることが適切です。担当者の行動基準の設定や、参加者が相談できる窓口の周知状況を確認してください。 --- 本記事は2026年9月時点の法令・告示に基づく一般情報であり、個別の法的助言・判断ではありません。具体的な対応については、社会保険労務士・弁護士等の専門家にご相談ください。