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カスハラ 再入電 対応方法

カスハラ再入電への対応方法と事業主の義務

公開日 2026-11-03・更新日 2026-11-03

# カスハラ再入電への対応方法と事業主の義務

同じ顧客・利用者から繰り返し電話がかかってくる「再入電」は、カスハラ(顧客等からの著しい迷惑行為)の中でも対応が難しい類型の一つです。担当者が疲弊しやすく、放置すると職場環境の悪化につながります。

2026年10月1日に施行された改正労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(以下「労働施策総合推進法」)第33条により、事業主はカスハラから労働者を守るための措置を講じることが義務となっています。本記事では、再入電への実務的な対応手順と、事業主が整備すべき体制を解説します。

法改正前の情報に基づく記事は、現行の義務内容と異なる場合があります。本記事は2026年11月時点の情報をもとに作成しています。

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再入電がカスハラに該当するケース

再入電とは、同一の顧客・利用者が短時間のうちに何度も電話をかけてくる行為、または一度対応を終えた後に同じ要求を繰り返すために電話をかけてくる行為を指します。すべての再入電がカスハラに該当するわけではありませんが、以下のような態様が重なる場合はカスハラと判断される可能性があります。

  • 同日中に多数回にわたって電話をかけ、業務を妨害する
  • 対応済みの事案について、同じ要求を繰り返し執拗に主張する
  • 電話口で担当者を怒鳴る、脅迫的な言動をとる
  • 「上の者を出せ」と繰り返し、際限なく責任者対応を要求する
  • 深夜・早朝など業務時間外に繰り返し電話をかける

厚生労働省告示第51号(カスハラ防止指針)は、「業務の適正な範囲を超える」行為であるかどうかを判断の軸としています。正当なクレームや問い合わせとの区別が重要です。 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf(2026年11月時点)

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事業主に求められる義務の概要

労働施策総合推進法第33条(改正後)および厚生労働省告示第51号(カスハラ防止指針)に基づき、全事業主は以下の措置を講じる義務があります。適用対象は全事業主であり、企業規模による区別はありません。 https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132(2026年11月時点) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf(2026年11月時点)

事業主の方針の明確化と周知・啓発

カスハラを許容しないという方針を明確にし、就業規則や社内規程に定めるとともに、労働者に周知・啓発することが求められます。再入電への対応方針も、この方針の一部として明示しておくことが重要です。

相談体制の整備

労働者がカスハラ被害を相談できる窓口を設置し、相談者のプライバシーを保護しながら適切に対応できる体制を整えることが義務となっています。再入電対応で疲弊した担当者が相談しやすい環境を作ることが求められます。

被害者への配慮と事後対応

カスハラ被害を受けた労働者に対して、適切なケアや業務上の配慮を行うことも事業主の義務です。再入電対応を特定の担当者に集中させないローテーションの仕組みも、この観点から有効です。

再発防止策の実施

同様の事案が繰り返されないよう、対応マニュアルの整備や研修の実施など、再発防止のための措置を講じることが求められます。

勧告に従わない場合は企業名公表の対象となり得ます。

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再入電への具体的な対応手順

ステップ1:初回対応で記録を残す

再入電への対応の基本は、初回の電話から記録を残すことです。以下の情報を記録しておきます。

  • 電話の日時・時間帯
  • 相手の氏名・連絡先(確認できる範囲で)
  • 要求の内容と対応した内容
  • 担当者名

記録があることで、「何度目の電話か」「どのような対応をしたか」を客観的に把握でき、組織として一貫した対応が可能になります。

ステップ2:対応方針を組織として統一する

再入電への対応は、担当者個人の判断に委ねず、組織として統一した方針を持つことが重要です。たとえば、「同一事案について対応済みの旨を伝えた後も繰り返し電話がある場合は、上長に報告し、組織として対応する」といったルールを事前に定めておきます。

担当者が一人で抱え込まないよう、上長や管理職が早期に関与できる仕組みを作ることが、被害の拡大防止につながります。

ステップ3:対応済みであることを明確に伝える

再入電の多くは、「まだ解決していない」「納得できない」という相手の認識から生じます。対応済みの事案については、以下のように明確に伝えることが有効です。

  • 「〇月〇日にご連絡いただいた件については、〇〇という対応をお伝えしております」と事実を確認する
  • 「これ以上の対応は難しい」という場合は、その旨を丁寧かつ明確に伝える
  • 感情的な応酬を避け、事実と対応内容に絞って話す

感情的な言動が続く場合は、「落ち着いてお話しいただけない場合は、一度電話を終了させていただきます」と予告したうえで対応することも、担当者保護の観点から検討できます。

ステップ4:対応の限界を設定し、組織として判断する

再入電が繰り返される場合、どこかで「これ以上の対応は行わない」という判断が必要になることがあります。この判断は担当者個人ではなく、管理職・法務・経営層が関与して組織として行うことが重要です。

対応の限界を設定する際には、以下の点を検討します。

  • 相手の要求が正当なものかどうか
  • これまでの対応が適切であったかどうか
  • 今後の対応方針(書面での対応に切り替える、弁護士に相談するなど)

ステップ5:必要に応じて外部機関と連携する

再入電が脅迫的な内容を含む場合や、業務に著しい支障が生じている場合は、警察や弁護士などの外部機関への相談も選択肢の一つです。事業主として労働者を守るためには、外部機関との連携を躊躇しないことが重要です。

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対応マニュアルと社内規程の整備

再入電への対応を属人化させないためには、対応マニュアルと社内規程の整備が不可欠です。マニュアルには以下の内容を盛り込むことが考えられます。

  • カスハラの定義と再入電が該当するケースの例示
  • 初回対応から記録・報告・エスカレーションまでの流れ
  • 担当者が一人で対応しないためのルール
  • 対応を終了する判断基準と手順
  • 相談窓口の連絡先

社内規程の整備については、カスハラ対策の総合ガイドも参考にしてください。規程のひな形についてはひな形ダウンロードページをご活用ください。

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担当者のメンタルヘルスへの配慮

再入電対応は、担当者に大きな精神的負担をかけます。事業主は、カスハラ被害を受けた労働者のメンタルヘルスに配慮することも義務の一部です。

具体的には、以下のような取り組みが考えられます。

  • 再入電対応後に上長が声をかけ、状況を確認する
  • 特定の担当者に対応が集中しないようローテーションを組む
  • 産業医やEAP(従業員支援プログラム)への相談を促す
  • 相談しやすい職場環境を整える

担当者が「自分だけが我慢すればいい」と感じないよう、組織として支える姿勢を示すことが重要です。

自社の対策状況を確認したい場合は、カスハラ対策診断をご利用ください。

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よくある質問

再入電が何回以上あればカスハラと判断できますか?

回数だけで一律に判断する基準は、厚生労働省告示第51号(カスハラ防止指針)には定められていません。「業務の適正な範囲を超えるかどうか」が判断の軸となります。回数・時間帯・言動の内容・要求の正当性などを総合的に考慮して判断することになります。個別事案の判断については、専門家への相談をお勧めします。 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf(2026年11月時点)

再入電への対応義務はいつから始まりましたか?

労働施策総合推進法第33条(改正後)に基づくカスハラ対策の措置義務は、2026年10月1日に施行されています。法改正前の情報に基づく記事は、現行の義務内容と異なる場合があります。 https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132(2026年11月時点)

電話を途中で切ることは許されますか?

脅迫的な言動や著しく不当な要求が続く場合に、予告のうえで電話を終了することは、担当者保護の観点から検討できる対応の一つです。ただし、対応の可否や手順は組織として事前にルール化しておくことが重要です。個別事案の判断については専門家にご相談ください。

対応マニュアルがなければ義務違反になりますか?

厚生労働省告示第51号(カスハラ防止指針)は、事業主が講ずべき措置の内容を定めています。マニュアルの有無そのものが直接の違反要件ではありませんが、指針が求める措置を実効的に実施するためには、マニュアルや規程の整備が実務上不可欠です。対応体制の初期整備を始める際の参考として、カスハラ対策の総合ガイドをご活用ください。 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf(2026年11月時点)

再入電への対応を外部委託することはできますか?

コールセンターの外部委託など、対応窓口を外部に設けることは実務上あり得ます。ただし、事業主としての措置義務は外部委託によって免除されるものではなく、委託先との連携体制や情報共有の仕組みを含めて整備することが求められます。個別の委託契約の内容については専門家にご相談ください。 --- 本記事は一般情報の提供を目的としており、個別の法的助言・判断ではありません。具体的な事案への対応や規程の作成については、弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。